武術の技数に関する方向性には大きくふたつあると考えています。
第一に「ひとつの技をとことん突き詰めて、全てそこに集約する」という考え方。
第二に「あらゆる状況に対応、応用すべくたくさんの技を覚える」という考え方。
どちらも一理あるように思いますが、ひとつ言えることがあるとすれば、
「ひとつの技に集約するとしても、それは画一的であってはならない」という事です。
つまり、技を絞り込むのはいいのですが、生徒の特性も考えずに
「この技に全てを集約せよ」
という教えであってはならないと考えています。
相撲でも、押し出しが得意な人、下手投げが得意な人、八双飛びや猫騙しなどトリッキーな技が得意な人。色々います。柔道でもそうですね。
一通り習得してから、「自分に合ったもの」を突き詰めていくべきです。
生徒の特性や動きを見て「この技を突き詰めなさい」はというのはいいのですが、先生から「画一的に」この技を突き詰めなさい、は違うと考えています。
タクティカル・シラットでも色々やりますが、インストラクターになるのでなければ全てできるようになる必要はありません。自分に合うと思うもの、自分に役立つと思うものをお持ち帰りください。
ただし、インストラクターになるのであれば一通りマスターする必要があります。
先生が得意でなくても生徒はどうかわかりません。
「得意でないので教えていません」では生徒の可能性を狭めてしまいます。
タクティカル・シラット 岩田
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